「同化」を基本とした日本の植民地教育。中でも「言葉」からの同化、すなわち国語(日本語)教育はその中核であった。本書は当時の国語教科書を文字と挿絵から丹念に読み解き、その背景にあった政策の意図やその変遷、さらに描かれた内容から、当時の人々の暮らしまで分析。日本と台湾の近代を浮き彫りにする好著
陳 虹彣(ちん こうぶん) 1977年台湾生まれ。 2007年東北大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。 専攻は教育史、植民地教科書研究、比較教育。 現在、平安女学院大学国際観光学部准教授。 研究業績として、『近代日本の中央・地方教育史研究』第12章(学術出版会、2007年)、「台湾総督府編修官加藤春城と国語教科書」(『植民地教育史研究会研究年報』8号、2008年)、「日本統治下台湾人用国語教科書と国定教科書の比較研究」(その1〜その3)(『平安女学院大学研究年報』12.13.14号、2012-14年)、「日本統治下台湾人児童の日常生活について:国語教科書を手掛かりに」(その1〜その2)(『平安女学院大学研究年報』17.18号、2017-18年)、『現・近代日本教育会史研究』第13章(不二出版、2018年)など。