19世紀末から20世紀初頭のロシアに、民衆が育んできた民話にインスピレーションを受け、絵本を作り始めた画家たちがいた。ここにロシア絵本の黄金時代が幕を開ける。なかでも最も輝いていたのがビリービンによるロシアの昔話絵本だった。100年前の貴重な絵本の挿絵や原画を収録。革命前のロシア絵本の最盛期に注目し、人々が見た夢の残像を追う。
田中友子(たなか・ともこ)
京都府生まれ。京都芸術短期大学卒業後、モスクワ国立映画大学を卒業。
ロシア児童文学・文化研究誌『カスチョール』の編集に携わるかたわら、『ブック・アートの世界』(水声社、2006)や『絵本の事典』(朝倉書店、2011)などの共著書でロシアの絵本文化を紹介。
訳書に『メルヘン・アルファベット』(ネット武蔵野、2005)、『くちばし どれが一番りっぱ?』(福音館書店、2006)、『ねこくん いちばでケーキを かった』(岩波書店、2014)などがある。